キャンディ
「できたっ」
慶にぃの言葉に、あたしはくしを取って髪をとかした。
「ありがと。」
すると慶にぃは、動かしてるあたしの手を掴んで、そのまま後ろからあたしを抱きしめた。
「慶ちゃん…?」
何も言わず、ぎゅっと抱きしめる慶にぃ。
「変なの……いつもの慶ちゃんじゃないみたい。」
呟いて、慶にぃを見ようと斜め後ろに顔を傾けた。
でも慶にぃの顔は思ったよりも近くて、髪と髪がぶつかったのがわかった。
すぐ後ろから、慶にぃの香りがする。
視線が重なり合って、ゆっくり目を閉じる。