キャンディ

「そういえば、前に慶ちゃんはあたしのこと『ずっと前から好きだった』って言ってくれたよね。」


あたしが思いきって想いを伝えたクリスマスの日、慶にぃはそう返事してくれた。


「え、俺の言ったこと覚えてんの?」

「うん。」

「まじで?
忘れてよ。」


「なんで!?」

「なんか…恥ずいし…」


慶にぃはあたしから視線をそらす。



慶にぃって、時々可愛いんだよね。




「その、ずっと前からって、いつぐらいだったの??」


「言わない」

「いいじゃん!教えて?
気になる。」


「ぜったい無理!」



結局、しつこく聞いてみたけど慶にぃは教えてくれない。





でも…なんとなくだけど



きっとあたしが慶にぃのこと好きって気づくよりも、




ずっとずっと前から想ってくれてたのかな…







って、自惚れちゃって。



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