キャンディ

誰かに呼ばれて振り返った。


すると目の前には、中年くらいの女性が、あたしを気まずそうに見ている。



「真衣…じゃない?」

「え、はい…」


「やっぱり!大きくなったわね。」


その女性は、嬉しそうに、でも遠慮しがちに笑った。


「えっと、失礼ですが、どなたですか??」


「あら。……そう…もう覚えてないわよね。」


女性は笑っていても、どこか寂しそうにも見える。






「私は、











……真衣の母親よ。」




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