キャンディ
――「お願い!美月ーっ」
両手を目の前で合わせながら、美月を見る。
「でも紹介してほしいって、誰を??」
「美月の彼氏の友達とか!だめ?」
美月は、舐めていた棒付きキャンディを口から取り出すと、あたしを見た。
「あたしはいいけどさ、真衣。慶くんとはどうなったの?」
その言葉に、目を逸らすあたし。
「慶にぃは……
やっぱ兄妹として好きだったの。恋じゃなかった。」
…恋しちゃいけなかったの。
「……」
美月が黙って、あたしを見つめる。
「そっか。」
それだけ言うと、美月はいきなり携帯を取り出した。