キャンディ

「え、美月…?」


慣れた手つきで、携帯のボタンを打ち始める美月。


「彼氏にメールしてるの。」

「なんで…」


「紹介して欲しいんでしょ?早いほうがいいじゃんっ」


そうだけど……






――そして、放課後のファミレス。



「どーも!中山奏介ですっ。」


満面の笑顔で現れたのは、美月の彼氏。


「好きなことはサッカーで、嫌いなもんはー…」

「や、奏介はいいから。」


美月が話を遮る。


「あっ、こっちが多田健人くん。」


指された人を見ると、軽くお辞儀してくれた。


「はい。じゃぁ後は2人で仲良くね。」

「えっ!!」

思わず、美月を見る。


「早くないっ?」

「こんなもんでしょ?」


そう言って、美月たちは、そそくさとその場を去っていってしまった。
< 199 / 224 >

この作品をシェア

pagetop