キャンディ
「え、美月…?」
慣れた手つきで、携帯のボタンを打ち始める美月。
「彼氏にメールしてるの。」
「なんで…」
「紹介して欲しいんでしょ?早いほうがいいじゃんっ」
そうだけど……
――そして、放課後のファミレス。
「どーも!中山奏介ですっ。」
満面の笑顔で現れたのは、美月の彼氏。
「好きなことはサッカーで、嫌いなもんはー…」
「や、奏介はいいから。」
美月が話を遮る。
「あっ、こっちが多田健人くん。」
指された人を見ると、軽くお辞儀してくれた。
「はい。じゃぁ後は2人で仲良くね。」
「えっ!!」
思わず、美月を見る。
「早くないっ?」
「こんなもんでしょ?」
そう言って、美月たちは、そそくさとその場を去っていってしまった。