キャンディ

「もしもし…」

「真衣!?帰っちゃったの?」


「うん…」


美月は何か感付いたのか、少し声のトーンを下げた。


「いま、家?」

「うん。」



「…真衣」

「ん」


「慶くんと、もっかい話してみたら?」


え…?


「まだ好きなんでしょ?

あんなに仲良かったんだから、やり直せるかもしれないじゃん。」



美月……



「…ありがと。でも、もう終わったことだから。
ごめん、切るね。」


あたしは、静かに電話を切った。




美月、


違うの。





< 202 / 224 >

この作品をシェア

pagetop