キャンディ

慶にぃは、また階段を下りていった。






わかってる。


辛いのは、あたしだけじゃないんだ。






「真衣」


見ると、貴にぃが部屋から出てきた。



「ん、何?」


「真衣から借りてたCD、返すわ。」


貴にぃに何か貸してたっけ…



「慶の部屋にあるから、ちょっと来て。」

「えっ、勝手に入っていいの?」


あたしの言葉を無視して、慶にぃの部屋に行く貴にぃ。


戸惑いつつも、あたしもその後に着いていった。



慶にぃの部屋に入って、貴にぃはCDラックを探る。



ふいに、机に置かれた開きっぱなしのノートパソコンが、目に留まった。
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