キャンディ
慶にぃがあたしを放して、奈津美さんとお父さんのほうを向いた。
お父さんは、唖然としてあたし達を見ていて、奈津美さんもびっくりした様子。
あたしは慶にぃの隣に並んだ。
手をしっかり繋いで。
「……真衣のほんとの母親から、俺らのこと聞いた。」
2人の顔つきが変わった。
「兄妹だけど、それでも好きだし――」
「ちょっと待って。」
慶にぃの言葉を、奈津美さんが遮った。
「慶たちのこと聞いたって…何を??」
「この前、偶然会ったときにお母さんが言ってたよ?
あたし達は、血の繋がった兄妹だって。」
お父さんが大きく目を見開いた。
「真衣、それ本当か?」
「うん、全部聞いた。
お父さんと奈津美さんが、昔からの知り合いで、それで…
慶にぃは、お父さんと奈津美さんの間に産まれた子だってことも。」