キャンディ
「――…ってことだから、やっぱあたしと慶にぃは、血の繋がらない兄妹だったの。」
あたしは、ストローでオレンジジュースを吸って飲んだ。
お母さんは、黙ったままで何か考え込むようにして俯いた。
「…お母さん?大丈夫?」
「あぁ、うん。
…そうだったの。私はてっきり、智裕が浮気してたんだと思ってた。だから私も勢いで…
ちゃんと聞いてれば、こんなふうに離婚することもなかったかもしれないね。」
お母さんは、何か後悔してるように見えた。
「だけど、今はみんな幸せだよ。」
この前と同じ言葉を、あたしはまた繰り返した。
すると、お母さんは微笑んであたしを見た。
「お父さんと奈津美さんによろしくね。」
「うん。」