キャンディ
「…キスして?」
「え?」
慶にぃが抱きしめる腕を緩めて、あたしの顔を見た。
「さっきのキスなんか、忘れたいよ…」
無意識に自分の唇をごしごしと擦る。
「真衣?」
「お願い。」
兄妹でもキスくらいいいでしょ。
って、そんな考えは間違ってるかもだけど、慶にぃの前だと甘えたがりになってしまう。
「わかった。目閉じて」
慶にぃがそう言ったので、言われた通りにした。
急に胸の鼓動が早くなる。
目を閉じたまま、顎に手を添えられた。