キャンディ
「昨日和弥さんと二人で抜けたでしょ!?」
次の日、あたしと目が合うなり美月が話しかけてきた。
「うん」
「その後どーなったの??」
目を輝かせながら聞いてくる美月。
「えっと、付き合うことになりましたっ」
「まじで!?良かったじゃん!!」
まるで自分のことのように喜んでる美月を見て、あたしもつられて笑みが零れてくる。
「美月は??最終的にいい人いた?」
「んー…今回も駄目だったかな」
美月が遠慮がちに笑う。
「そっか…次頑張れ!」
「うん!」
美月は出会いを求めては、いつも「いい人がいなかった」って言う。
一体美月が望んでるのはどんな人なのか、あたしは知らないけど、本人は運命の人を見つけるまで出会いを求め続けるらしい…。
―――放課後。
美月と二人で帰ろうと校門前まで行くと、そこには和弥くんが立っていた。
「真衣、一緒に帰ろ」