キャンディ


「すげーっ!超美味そう!」


しばらく経って、テーブルに並べたオムライスを見ながら和弥くんは言った。



オムライスは、一応あたしの中では得意なほう。

慶にぃの好きな料理だから、昔からよく作ってた。




あたし達は、向かい合って席に着いた。



テーブルの上に置いてた携帯を眺めてみる。

ディスプレイには、何も表示されてない。





「んっ美味い!」


前を見ると、笑顔の和弥くん。


「良かったーっ」

安心して、あたしも一口食べた。





あんなふうに家とび出して来たのに、慶にぃからは電話どころかメールすら来ない。


怒ったのはあたしなのに、あたしばっか気にしてる気がする。



ばかみたい


一回忘れよっ。




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