キャンディ
呆れた様子で、でも笑いながら話す奈津美さん。
「えっ、そうなの?」
軽くひき気味に言ってみた。
「私がこんなこと言ってたって、お父さんには内緒ね?」
やっぱり悪戯な笑みを浮かべる奈津美さんは、なんだかかわいく見えた。
そのとき、ガタッと立ち上がったのは、慶にぃ。
「ごちそーさま」
「はーい。」
奈津美さんと適当に言葉を交わした慶にぃは、おもむろに自分の部屋へと向かった。
その様子を見て、あたしも席を立つ。
「ごちそうさまー」
言い残してから、リビングを出た。