キャンディ
「加藤ー。」
二人で話してると、教室のドアの前で立ってる担任が美月を呼んだ。
「今日お前、日直だよな?
悪いけどそのプリント、職員室まで持ってきてくれ。」
担任が指さしたのは、教卓の上に置かれたクラスの人数分あるプリント。
「え~。面倒くさっ」
ドアの方を見れば、すでに担任の姿はない。
仕方なく美月は立ち上がった。
「じゃちょっと行って来るー…」
「手伝おっか?」
「ううん、平気っ」
首を横に振って、プリントを持って美月が教室を出ていった。
残されたあたしはすることがなくなって、とりあえず携帯を開いた。
「真衣」
すぐ側で聞こえた声に視線を向ける。
そこには、タケルがいた。