キャンディ
カラオケボックスでタケルに強引にキスされて以来、あたしらはまともに言葉を交わしていない。
メールも電話も、着信拒否にしていた。
タケルと目が合った瞬間にあたしは自分の席を立って、その場から去ろうとした。
「待てよ」
あたしの腕を掴むタケル。
「放して!」
「俺の話聞いて?」
「聞くことなんて何もないっ」
「俺、まだ真衣のこと諦められないってゆうか…」
「あたし、今彼氏いるから。」
そう言って、走ってトイレに向かった。
出来れば、もう学校で会いたくない。
喋りたくない。
顔を見たくない。
ここまで嫌になるあたしは、ちょっと神経質なのかな…