キャンディ
その2人組みが見てるのは、慶にぃ。
「彼女とかいるのかな?」
「やっぱいるでしょ~」
その女子高生の子達が、さりげなくあたしの方を向いた。
一瞬、目が合う。
「もしかして彼女?」
「それはないって。なんか子供っぽいし。」
クスクスと笑う2人。
思っきり聞こえてるんですけど!
「お待たせしました」
軽く不愉快な気分に陥ったあたしは、一言で現実に戻ってきた。
カフェラテを頼んだはずが、テーブルの上にはショートケーキも置かれている。
「俺の奢り」
そう言った慶にぃはニコッと微笑んだ。