キャンディ
貴にぃ達は一緒に何をするでもなく、ただ同じ空間にいた。
携帯をいじったり、適当に雑誌を眺めたり。
その中にいて一番おもしろくないのは、もちろん他でもないあたし。
仕方なく、床に置かれたメンズのファッション誌をぺらぺらと捲ってみた。
………暇。
貴にぃのベッドに寝転がる。
あたしは視界に入った二人を見比べた。
やっぱ見比べれば見比べるほど二人は正反対に思えてくる。
貴にぃは短めの茶髪で、上の辺りはツンツンと髪が立ってる。
大人な雰囲気なんか全然漂ってなくて、むしろ喋ると子供っぽい。
そんな貴にぃと、この人は本当に友達なのかな。
なんて思えてくる。