キャンディ
ラズベリー味
いつもよりも重く感じる自宅のドアを開けた。
家を飛び出して、帰ってきたのは7時過ぎ。
結構早かった。
「真衣ちゃん、おかえり。どこ行ってたの?」
リビングに顔を出せば、奈津美さんが声をかけてくれた。
「ん、ちょっと。……慶にぃは?」
「さっき、彼女家まで送ってくるって出てったよ。」
奈津美さんは、あたしの気分とは裏腹に、にやにやした表情で答えた。
ご飯も食べずに、自分の部屋へ戻った。
ベッドにダイブしたあたしは、いつの間にか眠ってしまった。