キャンディ
次の日の朝。
いつもより早く目が覚めたあたしは、お風呂に入ってから朝食を食べた。
朝食の時間は、出来るだけ家族みんなが揃うことになっている。
いつも通りに、普通に接しなきゃ…。
リビングに行くと、まだ奈津美さんとお父さんしかいなかった。
「あれっ、真衣ちゃん今日早いね?」
「うん。目が覚めたから…」
自分の席に着いて、目の前にある奈津美さんの作ったハムエッグを一口食べた。
出来ることなら、このまま慶にぃが起きてこない間に食べ終わっちゃおう。
そんな思いも虚しく、今起きたばかりの慶にぃがリビングへ入ってきた。
「お…おはよっ」
自然に自然に、って意識しすぎて逆にぎこちない気がする。
慶にぃはあたしの目を見てから、眠そうな声を出した。
「おはよ」
そして、あたしの隣の席に座る。
「…昨日さぁ、」
「昨日ね、チケットもらったの。」
慶にぃの言葉を遮って、あたしが言った。