キャンディ
「はぁ…」
学校に着いてからも、無意識のうちに出る溜め息。
「どしたの?真衣が溜め息ついて、珍しいじゃん。」
美月があたしの様子を見て近寄ってきた。
「んー…」
曖昧な返事。
「何かあったの?」
あたしは、美月をじっと見つめた。
「あたしで良ければ聞くよ?」
そう言ってくれる美月に、あたしは今の状況を正直に話した。
朝、慶にぃと喧嘩したこと。
慶にぃには彼女がいたこと。
そして、あたしは慶にぃのことが好きだということ。
兄妹としてじゃなく、異性として。
「そっかぁ。真衣、やっと気づいたんだー?」
「やっと??」
「誰でも真衣の話聞いてたら、慶くんのこと好きってわかるよ。」
「ほんとに?」
「うん」
美月が笑って頷く。