執事様とお嬢様



『…気をつけてください…あなたは次に倒れたときが最後だと言うことを……』




「………はい…わかりました…」




あのときのお母様の表情は今でも覚えている。




涙を堪えて必死にあたしの手を握り締めていた…




…まるで…あたしに触れることで自分が生きていることを確かめるようだった。





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