執事様とお嬢様



「…お前の母親、鞠はな?世界中に飛び回っている俺に何一つ嫌な顔せずついて来てくれた…一つの国に長期間いないためにアメリカやカナダ以外はほとんどホテル暮らしだった…」




そこで一度、言葉を切りお母様の手をぎゅっと握った。




「…鞠は俺が仕事に行っている間は一人でよく街に出かけたいた。俺が仕事から帰ってくるとよく今日はどこに行って何をしてきたかとか、これを買ってきたとか…いつも幸せそうに話をしていた。




それを見て俺も何となく安心していたんだ…




鞠はきっともう大丈夫なんだ。って…」




…お父様の目に涙が溜まり始めていた…







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