執事様とお嬢様



「秘書は急いで鞠に駆け寄りソファまで抱き上げ連れて行った……そこで鞠を横に寝かせ大丈夫かと問いかけた…。すると鞠は『ええ。大丈夫です。あなたはどうしてここに?またあの人に頼まれごとですか?』といってふふっと笑った。




…本当は笑う元気などないはずなのに…




秘書はもちろん最初は俺に連絡を入れようとした。だが鞠はそれを頑なに拒んだ。




『あの人に心配はかけたくないから。』と言って……だから秘書は俺に黙っていた。そう言ったんだ………




俺はそのとき思ったよ…どうしてもっと鞠とかかわろうとしなかったんだろう…どうしてもっと鞠に体のことを聞かなかったんだろう…と……鞠は俺のために辛いのをずっと我慢してくれていたんだ……鞠が倒れてしまったのは…俺のせいなんだ……」





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