三つ葉のclover
「えっ?」

ちょっとした笑い話から真顔で呟く玲ちゃんにドキッとする…

「俺は妃奈が好きだ…ずっと昔から妃奈だけを、愛しい・守りたい…妃奈…愛してる……」

「ちょっ…」

ガタッ

極甘恋愛小説の告白のセリフを少し変えた玲ちゃんの言葉はウソがないように感じた…言い終わった途端に抱きしめられた腕が暖かくて、玲ちゃんの温もりが匂いがすぐ近くで感じて愛しくなった…でも、琳ちゃんに知られたらどう思うだろうか、それだけが心配だった…

ガラッ

「妃奈ー玲都ー終わった…か…?」

「琳ちゃん!!!」

琳ちゃんに知られた…とっさに玲ちゃんの腕の振り払う…

「妃奈、玲都…お前たち…付き合ってた…の…か…?」

琳ちゃんに勘違いされたくがないために、せっかく告白してくれた玲ちゃんを取り返しのつかないほど酷く傷つける発言をしてしまう…

「そんなワケないよ!玲ちゃんなんか恋愛対象外だしっ!私、口が悪い人好きじゃないし…玲ちゃんも私なんか恋愛対象外だしね!!ただちょっとフラツいて、玲ちゃんに支えてもらっただけ!」

「そうだったのか。」

「うんっ!!ね?琳ちゃん!」

ガンッ!!

同意を求めたハズなのに、椅子を蹴る音を返された…今まで見たことない玲ちゃんの形相に怖くなる…
「好きにしろ!!お前なんかもう顔も見たくねぇっ!!!!俺の前に二度と姿みせんな!!」

「玲都!?」

バタンッ!!!

…玲ちゃんが怒った理由は良く分かる…私はただ、玲ちゃんとは幼なじみで居たかっただけなのに…どうして上手くいかないのかな…自然に涙が溢れる…

「妃奈!?一体何があったんだ!?」

「うっく…ひっく……」

溢れた涙は止まらず、頬を伝って下へ落ちる…ごめんなさい…一言を道しるべとして―
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