*。俺様な吸血鬼。*



空は随分と暗い。

綺麗な三日月が私を見下ろしている。

今の時間を確認するためケータイを取り出した。


(8時…。)


そろそろ帰らなきゃいけないのに

帰りたくない。

だからといってずっとここにいるわけにもいかない。

どうすることも出来なくて

なにがどうすればいいのかも

よくわからなくなってしまった。

そう考えると止まっていた涙がまた

頬を伝って流れる。

すっかり暗くなってしまった空をもう一度仰いだ。

そのとき

ポツリと涙とは違う冷たさが私の頬に落ちた。


「え?雨…?」


雨は少しずつひどくなってくる。

周りに雨宿りするところも見当らないから、

仕方なくここにいることにした。



「ったく、なんでこんなトコにいるんだよ…。」


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