*。俺様な吸血鬼。*



「……せっかく、月と来たのに…。どうせなら月と
一緒に見たかったな…。」


そう呟いた瞬間、後ろから誰かに抱きつかれた。


「!?」


「はぁ、まったく世話のやけるやつ、一緒に見たいなら
そう言えばいいだろ。」


聞こえたのは月の声だった。


「…。」


「なんか言えって。」


「だって…。」


「はぁ。」


月が面倒くさそうにため息をつく。


「!!…ごめんなさい;」


「…俺はお前と花火見るためにここに来たんだから
あんな変な女たちとなんかまわんねぇっての。」


「…うん。」


「まぁいい、麗李も見つかったし、ここ花火すごい
綺麗にみえるし?」


「…。」


「ったく、せっかくの浴衣が着崩れてるだろが。」


「え!?」


(ホントだ…。)


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