*。俺様な吸血鬼。*
「ねぇ!去年のとあんまり変わってないじゃん!」
私はさっき柚那から手渡された服を着ている。
文化祭の日に着る衣装らしいけど。
「えぇ?変わってるじゃない。」
「どこが!?」
「去年はメイド服だったのが、セーラー服になってるじゃん。」
「そこしか変わってないでしょ?
問題はここなの!」
そう言って柚那に自分の頭を指差してみせる。
「仕方ないでしょ?去年の麗李の猫耳ウケがよかったんだから。」
柚那は悪びれた顔もせず開き直ってる。
こうなった柚那は止められないって
私が一番知っている。
「あ、月君も去年と変わってないよん♪」
「え?」
「また、これか…。」
後ろを振り向くと月が呆れた顔をして立っていた。
月は似合ってるからいいけどさ…。
「麗李も結局変わんねぇし。」
「…うん。」
「やっぱ、柚那は止められねぇか…。」
私と月はここで柚那に反対すると何を言われるか分からないから
仕方なく妥協せざるをえなかった。