*。俺様な吸血鬼。*
右手の薬指できらきらと輝く指輪。
「あ、ありがとぉ。」
嬉しくて少し涙目になる。
「次はこっちにつけるから。」
月はそう言って
私の左手の薬指を指差す。
「うん。」
「ったく、こんなことで泣くなっつうの。」
「だってぇ~;;」
「それともお返しは俺のほうがよかった?」
真剣な顔をしていた月が
また意地悪そうに笑う。
「月のばかぁ!!」
もう少しだけ甘い余韻に浸っていたかったのに
すぐに現実に引き戻された。
「ずっとそばにいてやるよ。」
偉そうに月が言う。
「いてくれないと許さないからね!」
私も負けじと月に言い放つ。
「当たり前だっての。」
沈む夕日に重なる影。
この先もずっと一緒に居れる事を願って……。
★End★