好きだよって言いたいんだ
名前を聞いた秋は驚いた。
咲(さき)何て、女みたいな名前!
咲本人は、「親のはやとちり?」何て言って笑っていた。
すごく明るい咲に秋は心を糸で手繰られるように、咲に惹かれていった。
ケータイの番号もアドも
教え合って、メールや電話のやりとりも回数が多くなった頃、咲から来た一言。
「もうメールしたりすんの止めよう。」
え?
伝え方はメール。
あっけない絵文字も何もないメール。
秋は慌ててすぐさま返信した。
「何で?アタシ咲に何かした?」
緊張気味で返事を待つ。
[ピリリリリ]
メール受信ボックスを見る。
「俺に女がいるんだけど、秋とのメール勝手に見たらしくて…それで浮気とか言われた。」
そう、あっさりと書かれた文字。
咲はアタシが「ヤダ」って言ったりしたらきっと困る。そんなのイヤだ。
秋は意を決して返信した。
「分かったぁ!理由教えてくれてありがとう。」
明るく。
でも、気付いてもらえるように、少し暗めに。
そうやって小さな願いを込めたメールを送信した。
数分後、返事が来た。
「もしかして、俺、秋のことキズ付けた?」
そんな事ない。
そう打ちたかったけど、
本音を書かずにはいられなくて…
「連絡とるの、止めたくない」と返信してしまった秋だった。
また数分後、メールを受信。
一件目は迷惑メールだった。
二件目は咲からのもの。
「でも…どっちみち無理だよ?女と別れるかしなきゃ…」
秋の恋心には、火がついた。
「その人と別れて下さい。」
咲の気持ちは、眼中になかった。
その後送られて来たメールによって秋は深くキズ付く。
「秋は人の気持ちを考えない人なんだね。俺はまだ今の女が好きだから別れないよ。俺は自分勝手な人は嫌いだ。」
「そんな…嫌いって…」
秋は謝罪メールを何通も送った。
呆れるほど。
ウザいほど。
キモいほど。
怖いほど。
それほど…
秋は咲が好きだった。
「咲…嫌いにならないで…。」
悲しい静かな呟きが、
秋の広い部屋に響いた。
咲(さき)何て、女みたいな名前!
咲本人は、「親のはやとちり?」何て言って笑っていた。
すごく明るい咲に秋は心を糸で手繰られるように、咲に惹かれていった。
ケータイの番号もアドも
教え合って、メールや電話のやりとりも回数が多くなった頃、咲から来た一言。
「もうメールしたりすんの止めよう。」
え?
伝え方はメール。
あっけない絵文字も何もないメール。
秋は慌ててすぐさま返信した。
「何で?アタシ咲に何かした?」
緊張気味で返事を待つ。
[ピリリリリ]
メール受信ボックスを見る。
「俺に女がいるんだけど、秋とのメール勝手に見たらしくて…それで浮気とか言われた。」
そう、あっさりと書かれた文字。
咲はアタシが「ヤダ」って言ったりしたらきっと困る。そんなのイヤだ。
秋は意を決して返信した。
「分かったぁ!理由教えてくれてありがとう。」
明るく。
でも、気付いてもらえるように、少し暗めに。
そうやって小さな願いを込めたメールを送信した。
数分後、返事が来た。
「もしかして、俺、秋のことキズ付けた?」
そんな事ない。
そう打ちたかったけど、
本音を書かずにはいられなくて…
「連絡とるの、止めたくない」と返信してしまった秋だった。
また数分後、メールを受信。
一件目は迷惑メールだった。
二件目は咲からのもの。
「でも…どっちみち無理だよ?女と別れるかしなきゃ…」
秋の恋心には、火がついた。
「その人と別れて下さい。」
咲の気持ちは、眼中になかった。
その後送られて来たメールによって秋は深くキズ付く。
「秋は人の気持ちを考えない人なんだね。俺はまだ今の女が好きだから別れないよ。俺は自分勝手な人は嫌いだ。」
「そんな…嫌いって…」
秋は謝罪メールを何通も送った。
呆れるほど。
ウザいほど。
キモいほど。
怖いほど。
それほど…
秋は咲が好きだった。
「咲…嫌いにならないで…。」
悲しい静かな呟きが、
秋の広い部屋に響いた。