Rabitt


「未兎っ−」

ゆみが大きな声で
叫ぶ

「ゆみの声だ…」

彼女は
小さな声で
つぶやく

「おい
てめー
なんか
言ってんぢゃ
ね−よ」

「ごめんなさい」

未兎は
俯いて
さっきよりも
小さな声で
謝る

「てめ−

ちょっと
可愛いからって
調子に……

ケバケバの

先輩軍団の
一つが振り上げた
拳が途中で
ピタッと止まる

「やめて

このこ

すぐ泣いたりして
めんどくさいから」

未兎は
顔を見上げる

「健……

助けにきて
くれたの?」

彼女の目から
一粒の涙が
こぼれおちた

「ほんと
お前めんどくせ−な

すぐ泣くくせ
やめろよ」

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