Tokyo Dolls
『服…濡れちゃったね。』

そう言ってJは、首筋に残ったウイスキーの水滴を指で拭って口に運んだ。

『…なんか…甘い…』

今度は舌を鎖骨から首筋へと這わせてくる。

Jは私の体をソファーへと押し倒すと、手馴れた様子で服を脱がせて行く。

『…んっ…(…仕事が始まった)』

私はゆっくりと瞼を閉じて、心を閉じて、終わりを待つ。

『…あっ…んっ…』

感じない体で、濡れた声だけを上げながら…


しばらくするとJの手が止まった。

『目開けて…』

耳元で囁かれたと思った瞬間、やさしいキスが瞼に落ちてきた。

『ちゃんと、見て…』

ゆっくりと瞼を開けると、私の手を取って着ていたシャツのボタンに持っていく。




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