Tokyo Dolls
バスルームを出ると、Jの着ていた服が無造作に脱ぎ捨てられていた。

私は自分も服を脱ぎ二人分の服を軽く絞ってハンガーに掛け、用意してあったガウンを羽織る。


リビングに向かうと上半身裸で、バスタオルを腰に巻いたJが髪を乾かしながらソファーに座ってお酒を飲んでいた。

『・・・さっきは、ごめんなさい』

少し離れたところから、謝った。

『・・・別に』

ゆっくりと私の方を向くと、さっきまでの怒った様子は無く小さく笑って視線をグラスに戻した。
その後姿を見つめながら思った、この人は不思議な人だ・・・。

自分の部屋に戻ろうと、ドアノブに手をかけると

『飯に行くから、支度して』

そう言って立ち上がると、Jは反対側の部屋に消えていった。

『飯・・・。』

壁の掛け時計を見ると、19時を回っていた。



< 19 / 38 >

この作品をシェア

pagetop