Tokyo Dolls
向かった先はホテル内のフレンチレストランだった。

店内に入ると、眺めのいい半個室に通された。

無言のまま食事も終盤に差しかかり、ワインが底を突きかけ頃Jが口を開いた。

『名前、決めないとね』

『・・・はい』

『タマとかポチにする?』

料理から目を離し、彼に向けると楽しそうに私を覗き込んでいた。

『・・・お望みで有れば、私は構いません』

『ふーん、もうちょっと違う反応を期待したんだけどな』

と、拍子抜けしたような顔をする。

『・・・ご期待に添えなくて、ごめんなさい』

『本気で言ってる?』

『はい・・・』

私の返事を聞くなり、Jは笑い出した。



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