Tokyo Dolls
駐車場に止めてあった車に乗り込むとJが言った。

『何だか中坊みたいだな』

『・・・』

運転席のJはさっきまで怒っていたのが嘘のように、終始笑っている。

『髪まとめて、ニットも深く被ってみなよ』

取り合えず、言われたとおりにしてみる。

『キミって童顔だよね』

そう言いながら、また笑った。

私は何だか不思議な気分だった。

初めて会った時のあの冷たい目とは明らかに違う、穏やかな目で私に笑いかけている。


私の中でJの印象が少しづつ変わっていく。



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