Tokyo Dolls
『靴だって、派手なのしか持ってないだろ』

そう言うと、私の足元にひざまずきコツンと床の上にミュールを置いた。

片方づつゆっくりと、Jの手が私の足にミュールを履かせていく。


足首に残る冷たい指の感触が、なぜか私を熱くしていた…


『アナタのセンスもなかなかね、さすがだわ』

『一応、それなりにね』
と、Jが鼻で笑う。

『相変わらず憎たらしいわね、その笑い方』

後ろに立っていた彼女がそう言って私を鏡の前に立たせた。



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