Tokyo Dolls
『色も白いし、若いのにどうして黒しか着ないの?』

『えっ…』

『あぁ、Jから聞いたの。黒しか持ってないんでしょ?』

『………』

鏡越しにJを見つめると、意地悪そうな顔で笑った。

『…私、黒が好きなんです』

『そっ、そう』

少しびっくりしたような顔をして、黒とは真逆の淡い色の服をチョイスしてきた。

『ごめんね、Jが黒は外してくれって…』

『………』

『魔女とデートするのは夜だけで十分だろ』

そう言ってまた笑う。

『(何を考えているの?)』


私にはJの考えていることが理解出来ずにいた。


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