Tokyo Dolls
数回の試着を終え、フィッティングルームから出るとJが沢山の紙袋を手に待っていた。


『やっとでて来た、行こうか?』

待ちくたびれたと言わんばかりに、私の手を掴んで外へと急ぐ。

『えっ…』

びっくりした私を気にとめることもなく、Jはどんどん街中へと進んで行く。


腕時計に目を落とすと

『間に合った…』

と、エレベーターに飛び乗った。

『ドコいくの?』

そう聞いた私に、『秘密』と悪戯な笑みを見せる。



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