Tokyo Dolls
2時間後・・・

ホテルを出る私を車の後部座席のドアを開けた男が出迎えた。

『お疲れさまです。』

『はい、お疲れさまです。』


車が夜の街を走り始める。

『窓、開けてもいいですか?』

運転手の男はバックミラーでチラリと私を見ると

『どうぞ、暑いですか?』

と、鏡越しに不思議そうな顔をする。

『いいえ、少し外の空気を吸いたくて』

窓を開けるとすっと冷たい空気が顔にかかった。

『・・・(気持ちいい)はぁ』

と、ため息が漏れる。

流れる街のネオンを見ながら私は束の間の眠りについた。


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