Tokyo Dolls
次の日。

言われたとおり、旅行鞄に数日分の着替えを用意して事務所へ向かった。

『随分身軽だな』

『上総(かずさ)さん・・・あまり持ち物もないから』

『そうか、さぁいこう』

車に乗り込み、お客の元へと向かう。

車寄せで車を降り、上総さんと私はホテルの最上階を目指す。

エレベーターを降り目的の部屋の前へ。

チャイムを鳴らすと、中から出てきたのは30代前半くらいのスーツ姿の男だった。

『お待たせ致しました。Tokyo Dollsでございます。』

『ああ、待ってました。どうぞ中へ。』

『私はこちらで失礼いたします。こちらがご要望のDollです。』

と、上総さんは背中を押し私を男の前へ押し出した。

『どうぞ』

『失礼します』

通された部屋の中は広々としていた、革張りのソファーとグランドピアノ。

備え付けのバーカウンターにはお酒やグラスがきれいに並んでいた。

両サイドに扉が2つ。寝室だろうか・・・。


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