START恋?FINISSHU恋?
「………。」
俺の質問にも、答える気配はない。
奈々チャンは下向いてて、顔見えないし。
俺はもう、授業に出る気になれそうにない。
…はぁーあ。
さすがにキツいな。
そりゃいつも冷たいけど。
素っ気ないけど。
俺に、興味持ってはくれない。
改めて、感じた。
分かってた事だけど。
それでも、キッつー…。
「……奈々チャン」
静かに名前を呼ぶと、彼女はようやくゆっくりと顔をあげた。
「我慢…してんなら、無理しなくていいよ」
口が勝手に動いた。
今までこんなこと言った事ないのに。
勇気無かったのに。
「…もし…無理してんなら、そんなの違うと思う」
奈々チャンは再び、下を向いて黙ったまま。
奈々チャンは、俺を好きじゃない。
俺の、完全な一方通行。