転勤族妻の憂鬱
「なぁ、奈央…」
「うん?」
「俺達、きっと、あの頃の続きをするために、再会したんだよ。きっと…。」
「続き?」
「そうさぁ…続きさ…未練タラタラで、別れた俺達が、ちゃんと、区切りをつけるために…出会ったんだよ。
都合のいい、話だって、分かってるぜ。
だけど、俺達には、きっと、必要だったんだ…なぁ、そう、想わないか…?」
「…うん。。。そうかも、しれないね」
「これで、俺達、ちゃんと、別れられるな…」
「うん。」
車は、もう、映画館の前まで来ていた…。
そして、俺は、駐車場に車を停めて
「じゃあ、な…」
「うん。じゃあね…元気でね…」
「おぉ~、奈央も、元気でいろよ!幸せに、なれよ!」
「うん。和樹も、幸せに、なってね。」
「おぉ~、もちろんだ!」
奈央が車を降りた。
俺は、「サヨナラ」と言って、別れを告げた…。
奈央も、「サヨナラ」って、泣きそうなの、ガマンして笑顔で言ってくれた…。
これでいい。
これで、いいんだ…。