転勤族妻の憂鬱
「そうだ!琉美、迎えに行かなくちゃ!時間、ギリギリ間に合う!」
あたしは、急いで、自分の車に乗り込み
ルームミラーで、自分の顔をみると
落ちていた口紅が、自分じゃない感じがして
手でゴシゴシと拭ったら
バックからポーチを取り出して、ガチャガチャと口紅を取り出し、
つけ直した。
そして、和樹への想いも、ここで自分の心の奥深くに封じ込めて
開かない鍵を掛けて
もう、二度と、亮介を裏切ったりしないと
心に、決めたんだ…。