続 それだけ~先生が好き~
先生は私の顔をまじまじと見ながら、「あぁ!」とびっくりしたように言った。
「化粧してるのか、お前。なんか違うと思ったら・・・」
「うん、そう、お化粧してるんだよ。まだ下手だけど」
「へ~、結構違うもんだな。でも、してないほうが一番可愛いぞ!」
先生にそんなこと言われて、私平気だと思う?
チークのピンク色よりもっと濃く、ほっぺが赤くなる。
「照れてんの?ははは」
運転しながら、ちらっと私を見てにやける先生。
照れるに決まってるじゃん・・・。
先生のばか。
「今日どこ行くの?」
「そうだな、ちょっと遠いけどでかいショッピングモールあるからそこで買い物でもするか」
「大丈夫・・・かな」
急に不安になってきた。
いくら卒業して・・・私が生徒じゃなくなっても、先生はまだ先生だ。
誰かに見つかったら、何も疑われないわけじゃない。
私は実際についこの間まで生徒だったわけだし。
「だ~いじょうぶだよ!俺嘘つく準備はちゃんとしてきてるから。後ろめたいけどな」
頭をぽんって叩いて私を安心させる先生が、本当に大好き。
窓を流れる景色に時々桜が見えて、春を感じる。