続 それだけ~先生が好き~


ただ静かに下を向いて、涙がなるべく先生にばれないようにしてみた。


まぁ、そんなの無駄だって・・・今までに何度も感じたことはあったけど。




今回もやっぱり無駄みたいだね。




私のほっぺに、優しい手が触れた。


力強いのに、優しい手のひらが、私の涙を拭ってくれた。





「・・・泣き虫だな、相変わらず」




先生のばか


違うよ



今回のは・・・しょうがないよ





「先生・・・」





顔を上げると、微笑む先生がいてくれる。



コーヒーの香りに包まれて、「ん?」って首をかしげる先生がいるんだ。






ねぇ先生



先生がいてくれなかったら



先生と出会わなかったら




今、この現実はありえないことなんだよ




先生が背中を押してくれたから


今があるんだよ・・・



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