キミが世界で一番嫌い?!
「(やっぱり、素直にシンプルに、『ごめんね』でいいよね。)」


どう謝るかを考え、靴箱へ。



「やっだー、早紀ったらぁ♡」

「俺、ほんとの事言っただけだし?
みーんな。すっげーかわいいと思ってるよ?俺♡」

「「「キャーーッ♡」」」

「(・・・・・)」



朝っぱらこの調子かよ。
万年お気楽野郎か、コイツは。
この調子だと、1日中女子に付きまとわれてて、謝る隙ができないと思う。
それに、コイツのノー天気な馬鹿面を見て、正直、謝る気が失せた。



「・・・・・」



私は、知らん振りを決め込み、須佐の前を通り過ぎようとした・・・が。



「あ、おっはよー、工藤ちゃん♪」

「・・・(軽い抵抗)おはよう。」



工藤ちゃん・・・?
本当、何考えてるのよ、コイツ。
昨日のことはもう忘れました、ってか?



「ん?どうした、工藤?
俺の顔、なんかついてる?」

「別に、何もついてないわよ?」



私は、極上の微笑を浮かべるつもりで笑った。
それはもう、嫌味なほどに、にっこりと。
そして、上履きを出し、履き替えると、



「ごきげんよう」

聞こえていたかどうかは不明だが・・・とっさに呟き、玄関を後にした。





< 8 / 16 >

この作品をシェア

pagetop