アタシ、恋道
冬、出会い

隣の席

『あはは。マジで、ウける』

『俺も、びっくりしたし。』

アタシの名前は、黒井亜夢(くろいあゆ)中2

『でもそれ見た、ダイもやばいでしょ!!』

『まぁな☆』

こいつ隣の席の、元木ダイ(もときだい)一番の男子友達。でも…

『あゆは、好きな奴誰?』

『バカッ、そ、そんなのいない!!』

嘘…。本当は、ダイが好き。最初は、大嫌いだった。すぐキれるし、でもあの時…

5ヶ月前…

アタシは、クラスでいじめの対象に入ってしまった。

『アタシ、皆に無視されてるんだ。だから、元木もアタシと喋らない方がいいよ。』

『何で?そんなの気にするなよ。おいっ!!聞けよ。』

『うっ、うん』

『俺が、守るから』

『うっん。ぐすっ。』

やさしさが、心に沁みて。

『おい、泣くなよ。』

『うぅーぐすっ。元木~有難う。』

電話越しで、号泣してしまった。

あの後、ダイのおかげで、いじめはなくなった。

『あゆ~っ』

『あっ!!沙矢だぁ!!アタシ、沙矢の所行くね』

『じゃあ、また後で☆』

『オッケぇ!!』

アタシは、大大親友の大山沙矢と、原田佳奈の所に行った。

『どーしたの?しかも、佳奈…。顔赤いよ…?』

『あ…ゆ。バリ嬉しいよ!!アタシ、直斗と付き合うようになったの!!』

『こいつぅ~』

沙矢が、冷やかした。

『佳奈…。おめでとうーよかったねぇ!!』

『もう、2人とも声でかい!!』

そう、佳奈はずっと黒野直斗(くろのなおと)が、好きで昨日コクッたらしい。

いいなぁ…

『亜夢は、ダイとは?』

えっ…。急に?

『ひみつぅ~』

『あっ!!逃げたなぁ!待てぇー』

どれくらい走ったか分からないけど、気づけば屋上の扉の前にいた。

♪~♪~♪

携帯が、ポケットの中で震えた。

『電話?あっ?!』

相手は、ダイだった。

<もしもし?ダイ?どーしたの?>

<今どこ?話あるんだけど…>

ハナシ?

<屋上の、扉の前にいるけど?>

<今から行く>

プツッ、プープープーッ

『えっ?』

急に、切られても困るし…。話って何?

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