アタシ、恋道
その日、学校に行かなかった。

『お母さん?話があるの。』

『ハナシ?』

『そう』

あの話をするために。

ソファーに腰掛けた

『お母さんは、ダイって知ってる?』

『ダ…ダイ?だ…誰なの?』

『焦りすぎだよ。』

『アタシ知ってるの。陵樹は、アタシの弟じゃない。もちろん、陵樹も知ってる。』

『ダイから聞いたのね。話せば長いかもしれないけど。』

『聞きたい。』

‐12年前‐

『辰也…。アタシ妊娠したの。』

『恵美架?!そんな…』

私は、産みたい

『産みたいの!!辰也の子産みたいの!』

『堕ろしてくれ。』

『えっ…。そんな。』

彼は、去った。

結局、一人で産むことを決心した。

『ダイ、亜夢』

双子を出産。名前をなずけた。

ダイは、大きく立派な人になって欲しい。

亜夢は、きれくて可愛くて、夢を持って絶対かなえる人になって欲しい。

2年の月日が経ち私たちは、幸せに暮らしていた。

だけど、その幸せはダイと亜夢の父によって砕かれた。

『マァマァ!抱っこ抱っこ!』

ピンポーン

『はいはい!亜夢待ってね』

『はい。誰で……』

『恵美架…』

『辰也…。何しに来たの?』

『上がっていいか?』

『どうぞ…』

上がってすぐに、声のするほうにいった。

『俺の、子…。』

『マァマァっ抱っこ!』

『あゆぅ!』

『ダァイ!』

『きゃはははっ』

辰也は、顔を下に向けて、時々嗚咽を出しながら、泣いた。

『俺に、育たせてくれないか?』

『嫌よ。今頃何よ!!私の、苦労知らないくせに!!』

『マァマァっアアアアァーーー』

亜夢が泣き出した。

『あ…ゆ!』

『亜夢…。』

辰也が、抱いた。

『…。パパァ?』

私から、涙がこぼれた。やさしくて、愛おしい涙が…。

『亜夢っ。』

『ママ?あのちと、パパなの?』

ダイがそう言った

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