さようなら。
「ねぇ、

ギュウってして」

「はいはい」

あったかいなぁ……

哲の腕の中は心地いい。

心地いいけど

切ないのはどうして?

問いかける自分に

なぜ問いかけているのか

問いかける自分がいる。

だけどそんなのも忘れるぐらい

本当に今は幸せ。

「今日は送ってくよ

とりあえず帰ろうか」

「うん……」

本当はもっと一緒にいたい。

すぐに帰るっていうことは

哲もやりずらいところがある。

そういうことなんだよね?

そりゃあまぁ……

急に手術とか言われちゃってさ。

パニクるのも当然のことで。
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