さようなら。
あたし、なんで話せなかった?

どうして玲奈先輩にも……

もしかしたらだけど

美加たちにも言えないかも。

憂鬱な気持ちで

また教室へと歩き出した。

「おはよー」

「おはよう……」

「優花おはよ!」

「おはよう

今日遅くない?」

教室に入るなり

美加と栞が話しかけてきた。

「おはよう」

どうしよう……

言おうか言わないか迷う。

美加たちは親友だし

言わなくちゃこれこそ最悪?

考えれば考えるほど

胃のあたりがぎゅっとなる。

『冷静に考えれば

あたしの考えすぎ?』

そうも思ったけど

なんだか気持ちがいつもと違う。

すごくすごく不安になるの。
< 112 / 150 >

この作品をシェア

pagetop