さようなら。
「お姉ちゃん

あたし、彼氏がいたの」

「うん」

「あたしはね

付き合ってて

すごく楽しかったし

一緒にいると

安心できたし

うまくいってるって

思ってたんだ」

「うん…」

「だけど彼には

忘れられない人が

本当はいて…

その人は幼なじみで

…元カノで……

あたしよりも

ずっと一緒にいて

ずっと好きな人が

彼にはいたの……」

「うん……」

お姉ちゃんは

黙って頷きながら

聞いてくれる。

聞いてもらうだけで

あたしの重荷が

軽くなっていく。
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